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教員インタビュー - 藤井 博義 先生
皆さんは会計学を御存知でしょうか?
「会計」と聞くとどのようなイメージを持っているでしょうか。
企業の事務で計算をしている経理の風景でしょうか。
それともお店のレジでしょうか。
なんとなく、お金に関係するような感じですね。
今回は、会計学を専門とする『藤井 博義 先生』に、 立正大学 経営学部 と 会 計学 について語っていただきました。
誰もが日頃、意識せずに経験している実践です
先生は会計学が専門とのことですが、どのような学問なのでしょうか?
例えば、皆さんがこんな商品を作れば売れる!これは儲かるのでは!というアイデアが浮かんだとします。実際にこのアイデアを実行する為には「お金」の観点が重要になってきます。ビジネスを行う上で、どれだけの資金を調達すればよいのか、いくらで製品を作り、どれくらい売り上げればよいのか、価格はいくらにすればいいのか、従業員にどれだけお給料を払えばいいのか、広告宣伝にどれだけ使えばいいのか、そしてその結果どれだけ利益がでるのかなどのシュミレーション・分析が必要になります。その大前提には企業の中で、お金がどれだけ入ってきて、何にどれだけお金を使ったのかという家計簿のような記録(複式簿記)が重要になります。このように企業や組織における「お金」に関することを扱うのが会計学になります。
会計学と聞いて、難しいと感じる学生もいるかと思います。確かに企業が扱う会計には様々なルールがありますが、実は、会計の考え方というものは、今までも皆さんの生活の中で無意識に実践していることです。例えば、3万円のお年玉をもらったとしましょう。皆さんはどのように使いますか?そのお金でいきなりハンバーガーを100個買う・・・・なんてことはしませんよね。きっと2000円は友人とカラオケに行く、3000円で欲しかった服を買う、20000円はとりあえず貯金する・・・というように、おそらく、どういう目的でどのように使うかを自然と頭の中で考えているのではないでしょうか。そして、どれだけ使ったのか、どれだけ貯金があるのか、お小遣い帳をつけている人もいるかもしれません。実は、これも会計なのです。企業も簿記という技術を使い、企業の家計簿(財務諸表)を作成します。そして毎年、来年は何にどれだけのお金が必要なのか、どのようにして使えばいいのか、その結果どれだけの効果や利益が得られるのか考えます。これを予算と言います。このように、皆さんがこれまで誰にも教わらず、自分で考えて実践してきたことを企業は体系立ったルールやシステムを使って行っているのです。そう考えると、イメージしやすいのではないでしょうか。
身近な実践と言われると、とても身近に感じますね。
では、会計学を学ぶ魅力とは何なのでしょうか?
会計学を学ぶ魅力は、いくつかあります。まず、企業を様々な角度から見ることができるようになるということがあげられます。これまで、消費者として商品や製品、サービスを通して企業を見てきたと思います。しかし、会計学を学ぶことにより、この製品の利益率はどうなんどだろう?とか、この企業の経営はうまくいっているの?というようなことを知ることができます。その結果、消費者としての行動も変わるかもしれませんね。
もうひとつ、会計学を学ぶ魅力をあげておきましょう。それは、会計の考え方や知識は、資本主義の世の中を生きていくうえで、必ず役に立つということです。知らないと損をすると言っても過言じゃないかもしれません。大学を卒業して、多くの人が何らかの形で企業や組織で働き、お金を稼いで使うと思います。仕事上だけでなく、生活の中でお金や会計数値というものに関わって生きていかなければなりません。実際、社会人になり企業の中で生きていく上で必要不可欠だと実感するのが語学と会計と言われることからも明らかです。ビジネス雑誌の特集にも会計が多くみられることも証拠と言えるかもしれませんね。
会計を学ぶ当初は、売上がいくらであるとか、利益がいくらかといったところに、興味を持つ学生が多いと思います。まずは、会計数値に興味を持つという意味では良いことだと思います。しかし、それだけでなく会計学(財務会計、管理会計)や、周辺領域の経営学部の専門科目を深く学ぶことにより、利益をあげるためには、従業員のモチベーションの問題や、無駄をなくすにはどうしたらいいのか、ITを導入することで合理化できないかとか、どんな製品を開発すれば新しい市場が開拓できるのか、など興味が広がるはずです。このように、会計を学ぶことにより、企業や組織を様々な観点から考えられるようになってほしいですね。
先生はどのような研究をされているのでしょうか?
現在は主に管理会計の歴史や変化に注目した研究を行っています。過去の事、歴史的な事を扱っていますが、年代順にみることを目的としているのではなく、その企業の中で行われている管理会計の実践の変化の部分について研究をしています。
例えば、戦前から戦中、戦後とどのように管理会計の実務が変化したのか。企業における管理会計の変化はなぜ起きたのか?戦争という点に注目すると、戦時体制といった、政府の統制という側面がどのように影響したのか、またそれが戦後の日本的な管理会計の実務にどのように影響を与えたのかといった点です。大きな制度的な変化だけではなく、小さな変化にもできるだけ焦点をあて、先人たちの経験や、何らかの物事が決まる上でのプロセスに注目し、そこにどのような権力関係が存在していたのか、その時に会計はどのような存在であったのか、その時代のコンテクストの中で、どのような意味を持っていたのかを知ることで、現在の経営課題の解決に役立てればと思っています。
先人の知恵と経験、それはとても大事なことだと思いますね。
今の日本の不景気を生き抜くために、経営学や会計学を学んでいきたいという学生も多くいらっしゃることでしょう。先生はどのような方法で研究をされていらっしゃるのでしょうか?また難しさはありますか?
主に文献や会社の社史・一次資料(会社に保管されている資料)などを使って研究しています。その時の社会のしくみやその企業の立場、その根底にある文化などを踏まえ、多角的に分析しています。今後は、企業でご活躍されていた方などへのインタビューなどができたらと思っています。管理会計研究の難しいところは、会社の極秘事項に関わる部分が多く、なかなか教えてもらえないことが多かったり、論文にできない事柄があったりすることでしょうか。
ゼミの勉強や経験、人間関係は未来のあなたの身を助ける力となる
先生のゼミのテーマについて教えてください。
私のゼミは管理会計を専門としているゼミです。具体的なテーマとしては、ゼミ生の興味も考慮しながら決めています。前期は管理会計の基礎的な内容を理解するため文献を一冊輪読しています。これはゼミ生全員で基礎的な知識を共有するためです。その際、グループワークの形式をとり、3人1組でプレゼンテーションを行います。目的は基礎知識を養うためだけでなく、PowerPoint(©Microsoft)を使ってのプレゼンテーション能力の向上、プレゼンテーションをチームで行うことにより、チーム内での調整などです。ゼミ活動を通して、人間関係やコミュニケーションの方法についても試行錯誤しながら学んでほしいですね。そして、夏合宿では、2年生から4年生までが参加し、2年生、3年生は前期に終わらなかった部分の報告と、秋に行うゼミナール大会での発表についての中間報告、4年生は卒業論文の中間報告を行ってもらいます。もちろん合宿は勉強だけではありません。勉強以外のスポーツやバーベキューなどのイベントは、全てゼミ生主体で企画し行っています。これも、企画力を高めたり、チームをまとめていく練習になればと思い任せています。毎年、楽しい合宿ができているので満足ですね。
基本的な文献の輪読が終わると、各チームごとにゼミナール発表大会に向けて、それぞれのテーマを設定して研究を行うという形式をとっています。ちなみに、本年度の各チームのテーマは、『携帯電話会社の経営分析』、『アメーバ経営についての研究』、『キャッシュ・フロー経営の重要性を考える』、などです。
管理会計のゼミということですが、会計学の中でも管理会計はどのような学問なのでしょうか?
管理会計は、経営者が様々な意思決定をする上で必要な情報を提供したり、組織をより良く動かすための業績評価システムなどを扱う学問であり実践です。たとえば、企業を経営する上で、従業員のモチベーションを高める必要があります。そのためにはどうしたらよいか。従業員の成果に対する評価などですね。目標を達成したら、ボーナスを増やすなどの仕組みづくりなどがありますね。個人を評価するのか、グループとして評価したらいいのか、国や組織の文化によって様々なしくみが必要です。経営者と従業員が納得する業績評価のしくみがないと、最終的には企業価値の向上につながらないですね。このようなことを扱うのも管理会計の内容なのです。
そういった意味で、管理会計のしくみを理解することは、評価する側だけでなく、企業に入ってから、「自分が会社にどう評価されるか」ということを知るという意味でも重要ですね。企業が目指す目標やそれに従った戦略と、評価のしくみが異なる会社だと不本意な評価をされるかもしれません。
今後は、私の恩師のようにゼミ生や卒業生から尊敬されるようなゼミを作りたいですね。そのためには自分自身も精進しなければと思っています。また、学生にはゼミを通じて、勉強だけでなく色々な経験をし、良い人間関係をたくさん作ってもらいたいです。
共創力を伝えるために
さすがに、素晴らしい先生の集まる立正大学ですね。
立正大学 経営学部では共創力をテーマに掲げていますが、経営学部のオススメポイントを教えてください。
立正大学経営学部では、共創力を育てるための教育システムが充実しています。いくつか紹介しましょう。まず、入学されたら1年生の初めにオリエンテーションキャンプ(1泊2日のオリエンテーション合宿)があります。これは授業の一環ではありますが、教員、職員だけでなく、学生組織であるオリエンテーションキャンプ実行委員会とも共同で行っています。まさしく共創力の実践です。ぜひ、楽しみにしてください。
また、専門ゼミが2年生からあり、ゼミでの研究や活動を通して、専門知識だけでなく、様々な個性をもつ学生がゼミを作り上げていくという実践の中で共創力を身につけています。そして、経営学部の教員、職員自身もより魅力ある学部が作れるよう、日々協力して頑張っています。そういった意味では、スタッフ自身も実際に『共創力』を実践していますね。 これは学生のためでもあり、スタッフ自身のためでもありますね。学生、スタッフみんなが成長できることが『共創力』だと私は解釈しています。
4年間全力で学べる環境を用意しています。受験生の思い、熱意ひとつで、私達は素晴らしい4年間を提供します。
現代社会に生きる今の学生へ
では、最後にこれから受験を迎える学生へメッセージをお願い致します。
受験というと、目前の大学入試に合格することが目的・目標になりがちですが(ある意味当然ですが)、是非、夢と希望、熱意をもって入学して下さい。
そして大事なことは、無事入学されても大学を卒業することを最終目的にしないでください。大学は自分の夢を実現させるための準備(夢に必要な知識や能力、人間関係)をする場だと考えてください。まだ夢が見つかっていない人は、大学での先生や友人との様々な交流を通して、夢を見つけてもらえればと思います。
繰り返しになりますが、大学は卒業できれば良いのではなく、夢を実現させたり、現代社会で生きていくための様々な武器(知識、学力、考え方、コミュニケーション能力、人間関係・・・・)を身につけるための場所だと思います。
もちろん勉強だけではなく、様々な遊びを覚えることも重要だと思います。例えば、結婚して家族とBBQに行って、火のつけ方も知らない、ではかっこ悪いですよね。こういったことも大学のサークル活動やゼミ合宿のイベントなんかで自然に身につけてほしいですね。
そういうことも含め、勉強は勉強、遊びは遊び、とメリハリを付けて過ごすことが大切です。
大学では自分の人生の経営(マネジメント)を行い、投資(授業料と時間)した分より多くのモノ(知識や経験、人間関係)を得てください。
※このインタビューは第三者が取材・編集を行ったものです。





