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経営発達史教授 秦 野   眞

木曜日6時限

講義の狙いと留意点
 この講義では、近代日本社会の成立以降のわが国における企業経営の発達過程を明らかにすることを目的とする。今日、世紀末を迎え、日本経済とその実体をなす企業の活動を取り巻く環境は大きく変化し、根本的に日本企業のあり方が問われている。今世紀、わが国の企業のあり方は「日本的経営」と呼ばれ、内外においてその評価は毀誉褒貶のはなはだしいものであった。時にはその「非近代性」が非難され、時には「奇跡」の名で称賛をされもした。新たな世紀を前に、「日本的」と呼ばれるわが国の企業経営の手法の特殊性とは何であったか、またそれはいかに形成されたのか、を改めて問うことの意味は大きい。
 わが国の企業経営の手法の特殊性とその形成過程を検討する際には、諸外国との経営比較やわが国の社会・経済史的な背景が充分に考慮されねばならない。従って、本講義の受講者は「比較経営論」ならびに「近代経済史」、さらには次代の企業経営の存在を展望する「末来企業論」を含わせて受講することにより、歴史的、体系的な成果が得られることと思う。
成績評価の方法
 @出席、A中間レポート、B期未試験で総合的に判定する。受講者数にもよるが、@は3割、Aは2割、Bは5割の比重とする。
教科書
 特に指定しない。原則として、ノートを重視。
参考書・指定図書
 講義においてその都度指示する。

講義の内容
1回オリエンテーションとして、経済(史)と経営(史)。経営発達史の対象と経済史の対象、およびその方法の同一性と相違を概説する。
2回企業活動の諸側面。ヒト(経営者、従業員)、モノ(商品)、カネ(資金)に則して企業、経営活動とは何かについて概説する。
3回江戸期の経営−新時代への対応−
 江戸期から明治にかけ、新時代に対応出来た経営(組織)、対応出来なかった経営(組織)の比較。
4回新時代と政治−開国と新政府−
 明治初期の経営の社会・経済史的な背景として、外圧(外国)と新政府の性格
5回殖産興業政策−国家と経済−
 「上からの資本主義」と呼ばれる、当時の経済政策とその受け皿としての経営。
6回政商と財閥−官・民癒着の原形構造−
 「遅れてきた資木主義」が生み出す官・民一体化の構造。政商と財閥の形成過程。
7回経営と国家目的−教育制度と労働力−
 経営者に見る経営目的と国家目標の同一性と差異。または経営者の理念と国家イデオロギー
8回経営と家族主義−企業と「イエ」制度−
 雇用・被雇用(労・使)開係を親子関係とする「擬似」家族としての企業観。
9回終身雇用制度−安定と束縛−
 雇用・賃金・昇進の日本的形態、いわゆる「日本的経営」の強さと弱さ。
10回経営と労働組含−相互依存の構造−
 企業別組含に見る労使関係の相互依存と甘えの構造。大・中および小・零細企業間格差と階級対立の限界
11回「日本的経営」の評価(1)
 高度経済成長と内外の肯定的評価。
12回「日本的経営」の評価(2)
 日本経済の低迷と内外の否定的評価。
13回「日本的経営」の将来
 経済の国際摩擦、国内の規制緩和等の環境変化と「日本的経営」の変質および再構築。

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