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情報と社会・モラル・知的所有権A・B非常勤講師 村 田   潔

金曜日4・5時限

講義の狙いと留意点
 コンピュータを中心とする情報通信技術(ICT: Information and Communication Technology)の発展と普及は今日の社会のあり方を大きく変えつつある。ICTの利用は個人や組織,社会にさまざまな利便性を与える一方で,プライバシーや著作権の侵害といった負の影響をも与えうるものであり,これに適切に対応することを通じて,安全で信頼性の高い「秩序ある情報社会」を築き上げていくことは,現代人であるわれわれに課せられた責務である。本講義では,こうした問題意識の下,ICTの開発と利用に関わる倫理問題について考察し,よりよい社会を築き上げていくための問題意識を涵養する。
 講義の目的を達成するために,ほぼ毎回の講義においてケースメソッドを実施し,受講生の理解が深まるよう努めたい。受講生の積極的な議論への参加が望まれる。
成績評価の方法
期末試験の成績に,講義への貢献度を加味して評価する。
教科書
村田潔(編)「情報倫理:インターネット時代の人と組織」有斐閣
参考書・指定図書
D. G. ジョンソン「コンピュータ倫理学」オーム社
J. M. キッザ「IT社会の情報倫理」日本経済評論社

講義の内容
1回情報社会の光と影
・情報社会の特性:ジレンマとパラドクス
・情報社会=ICT依存社会の脆弱性
・ポリシーバキュームと概念の混乱
銀行
・証券情報システムのトラブル
2回情報通信技術の社会的特性
・論理的順応性
・社会変容要因としてのICT
・不可視性と不可逆性
電子投票と直接民主主義
3回情報社会における個人
・発言(voice)の時代
・情報社会における自由
・倫理的に振舞うということ
電子掲示板とブログ:言論の自由と社会秩序
4回ネット社会
・ネット社会の情報特性
・ネット犯罪とサイバーテロリズム
・情報の氾濫が意味するもの
ハッカー倫理
5回グローバリゼーション
・ネットグローバリゼーション
・パワー格差とデジタルデバイド
・情報社会における国境の意味
人間のローカル性とコアバリュー
6回モバイル社会
・モバイルフォンの普及とモラル
・モバイルフォン保有者の責任
・モバイルフォンの多様化する機能とその問題
モバイルアイデンティティ
7回情報社会におけるプライバシー
・プライバシーはなぜ重要なのか
・プロファイリングとパノプティックソート
・個人情報保護法
個人情報保護に関するコンプライアンスと過剰反応
8回企業における個人情報利用
・パーソナルマーケティング
・情報共有
・個人情報の正確性と最新性
データベースと個人のアイデンティティ
9回企業情報化とモラル
・CSRと企業倫理
・情報品質と経営品質
・セキュリティと内部統制
企業倫理への取り組みと構造的(換喩的)因果性
10回ユビキタス社会
・RFID
・監視社会
人体埋め込み型(implantable)RFIDタグ
11回知的財産権T
・知的財産権とは
・ソフトウェアパイラシー
・オープンソーシング
標準技術とセキュリティホール
12回知的財産権U
・P to P技術
・知識ベースシステム
・コンテンツビジネスの今後
Napsterとクローンサイト
13回eビジネス環境における倫理問題
・ビジネスモデル特許
・サイバースクワッティング
・信頼性と評判
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